物件を借りる前に、都市ガスかプロパンガスかを確認する
賃貸を探すとき、家賃・間取り・駅からの距離は必ず見ます。
ガスの種類を見る人は、あまりいません。 ですが、ここで年5万円変わることがあります。
料金はおよそ1.8倍違います
同じ量を使った場合、プロパンガスは都市ガスのおよそ1.8倍です。年間では5万円以上の差がつくことも珍しくありません。
なぜ差がつくのかはプロパンガスが都市ガスより高くなりやすい理由に書いていますが、簡単に言えば、
- 都市ガスは導管で供給され、料金に公的な規制の枠組みがある
- プロパンガスはボンベを配送する方式で、料金は各社が自由に決められる
という構造の違いです。
家賃差では逆転します
ここが物件選びで見落とされる点です。
物件A 家賃 72,000円 都市ガス
物件B 家賃 70,000円 プロパンガス ← 家賃は2,000円安い
家賃だけ見るとBが得ですが、ガス代の差が月3,000円あれば、Bのほうが月1,000円高くなります。年間で12,000円の逆転です。
冬はさらに開きます。使用量が増えるぶん、単価差がそのまま金額差になるためです(冬にガス代が上がるのは、水が冷たいからです)。
「家賃が安い物件」が「安く住める物件」とは限りません。
見分け方
1. 物件情報を見る
募集図面や物件サイトに「都市ガス」「LPガス」「プロパン」と書かれています。まずここを確認してください。
記載がない場合は、不動産会社に聞けば分かります。 聞きにくいことではありません。
2. 建物を見る(内見時)
| 見る場所 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 敷地内のボンベ | ない | ある(建物の脇や裏) |
| ガスメーター | 液晶表示なし | 液晶表示あり |
| ガスホースの色 | 白 | オレンジ |
| 警報器の位置 | 天井近く(ガスが空気より軽い) | 床の近く(空気より重い) |
一番確実なのはボンベです。 建物の外にガスボンベが並んでいれば、プロパンガスです。
警報器の位置で見分けられるのは、ガスの性質が違うためです。プロパンガスは空気より重く床にたまるので、警報器も低い位置に付きます(安いガス会社に変えると危険なのか)。
3. 検針票を見る(入居中の場合)
使用場所番号の桁数で分かります。都市ガスは10桁、プロパンガスは17桁です。
プロパンガス物件を避けるべきか
そうとも限りません。判断材料が増えるだけです。
プロパンガス物件には、こういう事情もあります。
- 都市ガスの導管が通っていない地域では選択肢がない
- 同じ条件なら家賃が安めに設定されていることが多い
- 災害時の復旧が早いとされる(ボンベ単位で供給できるため)
問題は「知らずに選んで、後から驚く」ことです。
契約前に聞いておくとよいこと
プロパンガス物件を検討する場合、不動産会社に確認しておくと後で困りません。
- ガス会社名(ネットで評判を調べられます)
- 過去の入居者のガス代の目安(教えてもらえることがあります)
- 入居者がガス会社を変更できるか
3つ目は特に重要です。集合住宅では、入居者だけでは変更できないのが原則です(賃貸でもガス会社は変えられるのか)。
つまり入居した時点で、そのガス会社と付き合い続けることになります。だからこそ、契約前に確認する価値があります。
すでに住んでいる場合
自分の料金が高いかどうかは、検針票があればすぐ分かります。
平均より大きく高い場合、賃貸なら大家や管理会社に相談する余地があります。持ち家なら切り替えという選択肢があります。
まとめ
- プロパンガスは都市ガスの約1.8倍。年5万円以上差がつくことも
- 家賃差では逆転する。家賃2,000円安くても、ガス代で負けることがある
- 見分け方は敷地内のボンベが最も確実。警報器の位置でも分かる
- 集合住宅では入居後にガス会社を変えられないのが原則
- だから契約前に確認する価値がある
物件選びで、ガスの種類を見る欄はどこにもありません。自分で見るしかない項目です。
出典