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ガス暖房・エアコン・灯油、どれが安いか。熱量をそろえて比べる方法

冬になると「ガス暖房と、エアコンと、灯油のどれが安いのか」という話になります。

単価を見比べても答えは出ません。 ガスは1㎥いくら、灯油は1Lいくら、電気は1kWhいくら。単位がバラバラだからです。

そろえる方法があります。**熱量(MJ=メガジュール)**に換算して、「1MJあたり何円か」にすることです。

まず、それぞれが持っている熱量

エネルギー1単位あたりの熱量
プロパンガス(LPガス)1㎥ = 約100MJ
都市ガス(13A)1㎥ = 45MJ
灯油1L = 約36.5MJ
電気1kWh = 3.6MJ

プロパンガスの数字は、日本LPガス協会の資料から計算しています。同協会の単位換算表ではプロパン1㎥が1.992kg、性質の表では高位発熱量が1kgあたり50,350kJなので、1㎥で約100MJ(およそ24,000kcal)になります。

都市ガスの2倍以上の熱量が、同じ1㎥に入っています。だから「プロパンは1㎥の単価が高い」だけでは、高いかどうかは決まりません。

1MJあたりの値段を出す

計算はわり算1回です。

1MJあたりの値段 = 単価 ÷ 熱量

例として計算します。単価はご自分の検針票や請求書の数字に置き換えてください。

エネルギー仮に置いた単価計算1MJあたり
プロパンガス700円/㎥700 ÷ 1007.0円
都市ガス200円/㎥200 ÷ 45約4.4円
灯油120円/L120 ÷ 36.5約3.3円
電気31円/kWh31 ÷ 3.6約8.6円

ここまでだと「灯油がいちばん安く、電気がいちばん高い」となります。ところが、エアコンだけは話が別です。

エアコンだけ別扱いになる理由

ストーブやファンヒーターは、燃やした分だけの熱が出ます。1MJ分の燃料から、だいたい1MJの熱です。

エアコンは違います。電気で熱を作っているのではなく、外の空気から熱を集めて室内に運んでいる(ヒートポンプ)ためです。そのため、使った電気の何倍かの熱を室内に出せます。

仮に3倍なら、先ほどの8.6円は3で割って、約2.9円になります。この場合、エアコンがいちばん安いという結果に変わります。

ただし、次の点に注意してください。

  • 効率は外の気温で落ちます。 寒い日ほど外の空気から熱を集めにくくなります
  • 霜取り運転の間は暖房が止まります
  • カタログの数値(APFなど)は決められた条件での値で、実際の家の条件とは違います

つまり「エアコンは3倍で計算できる」と固定して考えないでください。寒い地域・寒い日ほど、その倍率は下がります。

器具による差も出る

同じガスでも、使う器具で変わります。

床暖房は「足元が暖かい」「風が出ない」「音が静か」という良さがあります。費用だけで選ぶものではありません。 ただ、熱源はガスなので、プロパンガスの単価が高い家では負担が大きくなりやすい、ということは知っておいてください。

プロパンガスの家で、どう考えるか

プロパンガスの単価は会社ごとに違います。同じ器具でも、契約している会社によって暖房費が変わります。

  1. まず自分の単価を知る(検針票のどこを見れば、料金が高いか分かるか)
  2. 平均と比べて高いか確かめる(プロパンガスの平均価格はいくらか)
  3. 高ければ、暖房の器具を買い替える前に、契約の見直しを検討する(切り替える手順)

器具を買い替えれば数万円から数十万円かかります。契約の見直しなら、単価そのものが下がります。 順番としては、単価を先に確かめるほうが損がありません。

賃貸の場合は会社を選べないことが多いので、その前提で器具を考えることになります(賃貸でもガス会社は変えられるのか)。

安全のこと

費用の話とは別に、これだけは書いておきます。

部屋の中でガスや灯油を燃やす器具は、換気が必要です。 不完全燃焼は一酸化炭素中毒につながり、命に関わります。窓を開ける、換気扇を回すなど、説明書に書かれたとおりにしてください。

異常を感じたときの対応はガス臭い・警報器が鳴ったときの対応にまとめています。

まとめ

  • 単価のままでは比べられない。1MJあたり何円かにそろえる
  • 熱量は、プロパン1㎥=約100MJ、都市ガス1㎥=45MJ、灯油1L=約36.5MJ、電気1kWh=3.6MJ
  • エアコンだけは、使った電気の何倍かの熱を運ぶので別扱い。ただし寒い日ほど効率は落ちる
  • 床暖房は快適さで選ぶもの。熱源がガスなので、単価が高い家では効いてくる
  • 器具を替える前に、自分のガス単価を確かめる

出典

2026年10月1日に各公式資料で確認した数値です。表の単価は計算例で、実際の価格ではありません。ご自分の検針票・請求書の単価で計算してください。