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カセットボンベはなぜ破裂するのか。こんろを2台並べない、温めない、7年で買い替える

鍋や焼き肉、キャンプ、そして災害への備え。カセットこんろは身近な道具ですが、使い方を間違えるとボンベが破裂します。

この記事は、製品の事故を調べている国の機関、**製品評価技術基盤機構(NITE)**が公表している事故情報をもとにまとめています。

先にまとめ

  1. ボンベは奥まで確実にセットする(異音・異臭がしたらすぐ外す)
  2. ボンベが熱くなる使い方をしない
    • こんろを2台並べない
    • こんろを覆うような大きな鍋や鉄板を使わない
    • ガスの出が悪くてもボンベを温めない
  3. 使い終わったらボンベを外し、室内の40℃未満の場所に保管する(ベランダや車の中に置かない)
  4. こんろは10年、ボンベは7年を目安に買い替える
  5. ガスを使い切ってから捨てる(振ってシャカシャカ音がするうちは捨てない)

事故の約4割は使い方の誤り

NITEによると、2014年度から2023年度までの10年間に、カセットこんろの事故は91件ありました。調査が終わった86件のうち、約4割が使う人の誤使用や不注意によるものと推定されています。

その中で特に多いのが、**「カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方」**です。熱くなったボンベが破裂し、死亡事故ややけどにつながっています。

なぜ破裂するのか

カセットボンベの中身は、液化石油ガスです。家のプロパンガスと同じ仲間で、ボンベの中では圧力をかけて液体になっています(家のガスはどこから来たのか)。

NITEの説明では、

カセットボンベが過熱されてしまうと液化石油ガスが液体から気体になろうと膨張し、カセットボンベの内圧が上昇して限界を超えると破裂します。

熱くなる → 中で気体になろうとして膨らむ → 缶が耐えられなくなって破裂する、という流れです。

実際に起きた事故

NITEが紹介している事例です。

使い方起きたこと
こんろを2台並べて、大きな鉄板で調理ボンベが破裂し、6人がやけど(2017年)
業務用こんろのそばにボンベを置いたままボンベが破裂し、噴き出したガスに引火。9人がやけど(2018年)
ボンベの取り付けが不完全なまま点火漏れたガスに引火し、建物4棟が全焼(2020年)
ボンベを石油ファンヒーターの前で温めた破裂して窓ガラスが割れ、頭にやけど
IH調理器の上にこんろを置き、誤ってIHを作動ボンベが加熱されて破裂し、火災
使い終わったボンベに、火のそばで穴を開けた残っていたガスに引火し、やけど

2024年11月には、広島市の小学校のグラウンドで、お祭りのイベントに使うカセットこんろのボンベが爆発し、児童を含む9人がけがをする事故も起きています。

やってはいけないこと

こんろを2台並べる・大きな鉄板を使う

NITEは、2台並べたこんろに大きな鉄板を載せる再現実験をしています。

鉄板からの熱で、ボンベが加熱されます。 片方のこんろは安全装置が働いて火が消えましたが、もう片方は火が消えず、ボンベが熱せられ続けて破裂しました。

こんろには、ボンベの圧力が上がると火を止める安全装置が付いています。それでも、並べ方によっては防げません。「安全装置があるから大丈夫」ではありません。

ボンベを温める

寒いと、ガスの出が悪くなることがあります。だからといって、ストーブやファンヒーターで温めてはいけません(NITEも強く注意しています)。

同じように、ストーブやこんろ、こたつなど熱を出すもののそばにボンベを置いておくのも危険です。

取り付けが不完全なまま使う

ボンベは、取扱説明書の向きと位置のとおりに、確実に取り付けます。無理に押し込まないこと。

取り付けたあとに異音やガスのにおいがしたら、ガスが漏れているおそれがあります。 すぐにボンベを外して、使うのをやめてください。

保管のしかた

夏の車内は高温になります。キャンプ用のボンベを車に積みっぱなしにしないでください。

買い替えの目安:こんろ10年、ボンベ7年

NITEは、見た目に異常がなくても、カセットこんろは10年、カセットボンベは7年を目安に買い替えることが推奨されていると紹介しています。

時間がたつと、使っていなくても部品が劣化し、ガス漏れの原因になります。

災害用に備えているボンベは、製造から何年たっているか確認してください。 古いものは、さびやへこみがないことを確かめたうえで、早めに使い切って入れ替えます。

捨て方

ガスが残ったまま捨てるのは、大変危険です(NITE)。ごみ収集車の中で発火する事故も起きています。

火のそばでボンベに穴を開けてガスを抜くのは、やめてください。 実際にやけどの事故が起きています。出し方(穴を開けるかどうかなど)は、住んでいる自治体の案内に従ってください。

出典