ガス会社から値上げ通知が来たら、まず確認すること
ポストに「料金改定のお知らせ」が入っていた。
プロパンガスは自由価格なので、値上げ自体は違法ではありません。ただし、値上げの「やり方」にはルールがあります。
まず確認すべきは、そのルールが守られているかです。
値上げ通知にはルールがあります
資源エネルギー庁の「液化石油ガスの取引適正化指針」により、販売事業者には次が求められています。
適用日の1か月前までに、変更後の価格と変更理由を通知する
つまり、次のような通知はルールに沿っていません。
- 値上げ後の請求書で初めて気づいた(事前通知がない)
- 適用日の直前に届いた
- 理由が書かれていない、または「諸般の事情により」など内容がない
理由の記載は義務です。 書かれていない場合、確認を求める正当な根拠があります。
値上げ幅は説明がつくか
プロパンガスの仕入れ価格は、輸入価格(CP)や為替の影響を受けます。原料が上がれば、小売価格に反映されるのは自然なことです。
問題は、値上げ幅が原料の変動で説明できる範囲かどうかです。
通知に書かれた理由を読んで、次を考えてみてください。
- 原料価格の上昇が理由なら、上昇幅に見合った値上げか
- 「円安のため」とあるが、為替の変動幅と釣り合っているか
- 過去に原料が下がったとき、値下げはあったか
原料高のときだけ上げて、下がったときに戻さない。これが繰り返されていると、単価は上がり続けます。
拒否できるのか
住まいによって答えが変わります。
| 住まい | 値上げへの対応 |
|---|---|
| 持ち家 | 交渉の余地がある。合意できなければ会社を変えるという選択肢がある |
| 賃貸 | 契約者が大家のため、入居者は拒否できない |
持ち家の場合、値上げを拒否する権利そのものが法的に保証されているわけではありません。ただし、契約を続けるかどうかは自由です。 交渉が通らなければ、他社に切り替えるという手段が残ります。
賃貸の場合は、入居者が直接どうこうできる話ではありません。大家や管理会社に相談するところまでになります(賃貸でもガス会社は変えられるのか)。
値上げ後の単価が妥当か確かめる
交渉するにしても切り替えるにしても、判断の軸が必要です。
「高い気がする」だけでは交渉になりません。値上げ後の単価が、地域の平均と比べてどうなのかを数字で把握してください。
平均より大きく高いなら、交渉または切り替えの根拠になります。平均並みなら、原料高による全体的な値上げの可能性が高いと判断できます。
地域別の平均価格はプロパンガスの平均価格はいくらか(地域別)にまとめています。
交渉するときに伝えること
感情的に「高い」と言っても進みません。事実を並べてください。
- 現在の単価と、値上げ後の単価
- 地域の平均価格との差
- 他社から見積もりを取っていること(取っている場合)
「他社と比較している」と伝えると条件が変わることがあります。 ただし、他社の提示額を細かく伝えるのは考えものです。「それより少し安く」という形で対応されると、その価格が本当に妥当なのか判断できなくなります。
交渉が通らなかったら
切り替えを検討する段階になります。手続きそのものは、書類1枚と30分の立ち会いで済みます(プロパンガス会社を切り替える手順)。
ただし、切り替え前に必ず確認すべきことがあります。設備の無償貸与が含まれていると、解約時に残債や撤去費を請求されることがあるためです。無償貸与と、2024年に変わった法律のことを先にお読みください。
まとめ
- 通知のルールが守られているか(1か月前までに、価格と理由が明記されているか)
- 値上げ幅が理由で説明できるか
- 値上げ後の単価が地域平均と比べてどうか
- 持ち家なら交渉、それでも駄目なら切り替え
- 賃貸なら大家・管理会社に相談
値上げ通知は不愉快なものですが、自分の単価を見直すきっかけでもあります。今まで気にしていなかった人ほど、確認する価値があります。